<関連サイトも是非、ご活用下さい。>
・少量サンプル販売サイト・SDSダウンロードサイト |
プラスチックにおける染料と顔料の比較 |
※少量サンプルご希望の方は小口染料販売(Colorants-retail.com)よりご購入頂けます。是非、この機会にご利用下さい。
プラスチック用の黒色色素には大別して染料と顔料(主にカーボンブラック)があります。
ここでは結晶性樹脂であるポリアミド6(PA6)樹脂に色素を添加したプレートを作成し、
色の見え方や現象の違いを見ていきます。
結晶性樹脂 〜ガラス強化ポリアミド6(PA6-GF30%)樹脂での比較
樹脂:デュポン社製 Zytel(R) 73G30L
色素:(染料) NUBIAN BLACK TH-807
(顔料) 市販カーボンブラック
外観と色相について
下図は成型後の色相データと外観写真です。
表1の色相データではカーボンブラックとの差は、
あまり見受けられないように感じられるかもしれません。
しかしながら、染料と顔料では光沢度で大きな違いが出てきます。
色相
表1 色相データ
PA6-GF30%:Zytel(R) 73G30L
2mm厚
|
|
content
|
O.D値
(反射濃度)
|
分光測色データ
|
L*
|
a*
|
b*
|
NUBIAN BLACK TH-807 |
0.3%
|
2.65
|
2.0
|
0.5
|
-0.1
|
0.5%
|
2.75
|
1.8
|
0.0
|
0.1
|
1.0%
|
2.93
|
1.6
|
0.0
|
0.0
|
市販カーボンブラック |
0.3%
|
2.48
|
3.8
|
-0.3
|
-0.4
|
0.5%
|
2.47
|
3.5
|
-0.4
|
-0.4
|
1.0%
|
2.33
|
4.6
|
-0.5
|
-0.5
|
測定条件:サカタインクスエンジニアリング且ミ製 反射濃度計 SpectroEyeLT
スガ試験機且ミ製 分光測色計 SC-T 光源D65/10 d/8 15φ
光沢度とは、モノの表面に光をあてた時に正反射する程度の量を表しています。
数値が高いほど、表面が ピカピカで外観が良い事を示します。
この装置を使ってそれぞれのプレートの光沢度を測定しました。
結果を表2、図1に示します。
光沢度
表2 染料と顔料の光沢度測定結果
|
光沢度 Gs (60°)
|
0.3%
|
0.5%
|
1.0%
|
NUBIAN BLACK TH-807
|
87.3
|
88.5
|
91.0
|
市販カーボンブラック
|
78.1
|
77.7
|
68.1
|
測定方法:スガ試験機且ミ製 携帯光沢計 HG-268

図1 色素添加量と光沢度の関係
表2や図1からもわかる通り市販カーボンブラックは、
添加量を増やして行くと光沢度が低下する傾向が見られました。
実際の見た目にも充填材であるガラスフィラーがプレート表面に浮き出ており、
白くボヤけた黒色になっています。
それに対しNUBIAN BLACK TH-807は、
添加量が増すごとに光沢度が高くなり、表面外観が向上していました。
それぞれのプレートに2本の蛍光灯の光を映したプレートの写真を図2に示しました。
2枚のプレートの光沢度を見比べてみて下さい。
市販カーボンブラックを添加したプレートよりも、
NUBIAN BLACK TH-807を添加したプレートの方が蛍光灯の光が反射してはっきりと見えています。
この現象の違いは何によるものでしょうか?
各プレートの樹脂は同じものを使っているので、
添加した色素の特性がプラスチックに影響を与えています。
カーボンブラックは一般的に結晶性プラスチックに添加すると、
このような現象を引き起こします。
NUBIAN BLACK TH-807はニグロシン染料といい、樹脂に対して特殊な効果を発揮します。今回の現象はニグロシン染料の「結晶化遅延効果」によるものです。

図2 色素添加量1%での外観
※少量サンプルご希望の方は小口染料販売(Colorants-retail.com)よりご購入頂けます。是非、この機会にご利用下さい。
上に戻る
トップメニューへ
連絡先 : 06-6261-2003
担当 : 本社営業所 夘野木(うのき)
*記載データは保証値ではございません。あらかじめご了承下さい。
Copyright(C) 2009 Orient Chemical Industries,Ltd,All Right Reserved.
|
|