ORIENT CHEMICAL INDUSTRIES CO.,LTD.
染料と顔料比較 (6ーナイロン編)
※NUBIAN BLACK TH-807の少量サンプルご希望の方は下記URLよりご購入頂けます。是非、この機会にご利用下さい。
プラスチック用の黒色色素には大別して染料と顔料(主にカーボンブラック)があります。
ここでは結晶性樹脂であるポリアミド6(PA6)樹脂に色素を添加したプレートを作成し、色の見え方や現象の違いを見ていきます。
結晶性樹脂 ~ガラス強化ポリアミド6(PA6-GF30%)樹脂での比較
樹脂:デュポン社製 Zytel(R) 73G30L
色素:(染料) NUBIAN BLACK TH-807
(顔料) 市販カーボンブラック
外観と色相について
下図は成型後の色相データと外観写真です。
表1の色相データではカーボンブラックとの差は、あまり見受けられないように感じられるかもしれません。
しかしながら、染料と顔料では光沢度で大きな違いが出てきます。
光沢度
光沢度とは、モノの表面に光をあてた時に正反射する程度の量を表しています。
数値が高いほど、表面が ピカピカで外観が良い事を示します。この装置を使ってそれぞれのプレートの光沢度を測定しました。
結果を表2、図1に示します。
表2や図1からもわかる通り市販カーボンブラックは、添加量を増やして行くと光沢度が低下する傾向が見られました。
実際の見た目にも充填材であるガラスフィラーがプレート表面に浮き出ており、白くボヤけた黒色になっています。
それに対しNUBIAN BLACK TH-807は、添加量が増すごとに光沢度が高くなり、表面外観が向上していました。
それぞれのプレートに2本の蛍光灯の光を映したプレートの写真を図2に示しました。
2枚のプレートの光沢度を見比べてみて下さい。
市販カーボンブラックを添加したプレートよりも、NUBIAN BLACK TH-807を添加したプレートの方が蛍光灯の光が反射してはっきりと見えています。
この現象の違いは何によるものでしょうか?
各プレートの樹脂は同じものを使っているので、添加した色素の特性がプラスチックに影響を与えています。カーボンブラックは一般的に結晶性プラスチックに添加すると、
このような現象を引き起こします。
NUBIAN BLACK TH-807はニグロシン染料といい、樹脂に対して特殊な効果を発揮します。今回の現象はニグロシン染料の「結晶化遅延効果」によるものです。
※NUBIAN BLACK TH-807の少量サンプルご希望の方は下記URLよりご購入頂けます。是非、この機会にご利用下さい。
■お問い合わせは下記よりお願い致します。