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補色とpHについて 例:WATER BLACK 191-L |
補色
補色とは、色相環の正反対に位置する二色のことを表します。
補色は黒を追求する上で非常に重要となります。
図1はWATER BLACK 191-Lの測色値です。
濃度8%でほぼ無彩色(a*b*≒0)ですが、それよりも濃度が薄くなると青味が強くなり、
濃くなると黄味が強くなります。
濃度5%での色相は緑味の黒色で、a*値、b*値ともマイナスを示します。
しかし、ここに『 補色 』である橙色染料WATER ORANGE 18を加えます。
図2は補色を加えたWATER BLACK 191-Lの測色値です。
補色の添加量が増えるにつれ、a*値、b*値がプラスに近づいています。
この図から、WATER BLACK 191-Lに対し、
WATER ORANGE 18をおよそ15%加えると無彩色に近づくことが予想できます。
図1 WATER BLACK 191-L 図2 補色を加えたWATER BLACK 191-L 5%
(L*a*b*)表色系色度 (L*a*b*)表色系色度図
次に、補色を加えたWATER BLACK 191-Lのスペクトルを示します。
図3は、吸収光のスペクトルです。
補色の添加量が増えるにつれ、
黄色〜赤色の吸収を示す400〜500nmの波長が徐々に高くなっています。
そして、図4の反射光のスペクトルでは、
400〜550nmの波長が左上がりであるのに対し、
補色の添加量が増えるにつれフラットになり、やがて左下がりになっています。
黒は可視光を全吸収するため、反射スペクトルはフラットになることが理想的です。
補色を加えてフラットになったWATER BLACK 191-Lは、
より黒に近づいたことを示します。
このように補色の関係にある二色を混ぜ合わせることで、
黒色はつくることができるのです。
図3 WTER BLACK 191-Lの吸光度スペクトル 図4 WATER BLACK 191-Lの反射スペクトル
pHの影響
染料は、pHの違いで色相が変化することがあります。
図1はWATER BLACK 191-LのpHを、
酸性(pH=5)とアルカリ性(pH=10)に調整したときの測色値です。
アルカリ性に対して、酸性では赤色方向にシフトしているのがわかります。
実際の色相もやや赤味の黒色となります。
ただし、WATER BLACK 191-Lなどの直接染料は、
スルホン酸基やカルボキシル基といった酸性の置換基を分子内にもつため、
酸性に近づけると析出することがあり注意が必要です。
一般的にアルカリ性で使用します。

図5 pHの違いによるWATER BLACK 191-Lの色相の違い
白による黒への影響
当社、水系白色顔料分散体MICROPIGMO WMWE-1(以下WMWE-1)と、
水系黒色顔料分散体MICROPIGMO WMBK-5(WMBK-5)を混合していった際の、
OD値とL*値の変化を見てみました。
この数値の変化から白色顔料の黒色顔料への影響を検証しました。

図6 顔料−顔料系における黒の変化
WMWE-1とWMBK-5の混合比率を変化させていくと、
OD値とL*値は図6のような変化を示します。
(グラフ、OD値は黒色実線。L*値は黒色点線。)
WMBK-5と水との混合比率を変化させていくと、
OD値とL*値は図6のような変化を示します。
(グラフ、OD値は赤色実線。L*値は赤色点線。)
O.D値について、WMWE-1とWMBK-5配合系は、WMBK-5と水の配合系と比較して、WMBK-5の混合比率が約25%まで数値が上昇する傾向であることがわかりました。
明るさを示すL*値については、
WMWE-1とWMBK-5の配合系はWMBK-5と水の配合系と比較して、
WMBK-5の混合比率が約25%まで白色顔料が含まれている方のL*値が、
大きく低下する傾向であることがわかりました。
これらの事により、白色顔料が存在する事で隠蔽性が増し、
黒さが強調されるのではないかと考えています。
染料−顔料の系における実験においても同一の傾向が見られます。
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